「ただいま…」
そう言って家に入ると景は帰っていたようでリビングでテレビを見ていた。
「おー、おかえり。どうだった?久しぶりの実家。」
「うん、ゆうくりできたよ、ありがとう…」
ならよかった。と言う景の機嫌は今日はよかったみたいで少し安心した。
「なぁ、ルイこっち来いよ」
そう言われて景の隣に座るとぎゅっと抱きしめられた。
「ど、どうしたの?…」
「もう、帰って来ないかと思った…」
そう呟いた景の声は少し震えているように感じた。
「大丈夫だよ…私ちゃんと帰ってくるよ…?」
「俺…ルイに酷いことした…から……」
そう言ってくる景はなんだか愛情に飢えた小さな子供のように思い体制を変えて私がきゅっと景のことを抱きしめた。
「景…私ちゃんと景と一緒にいるから…大丈夫だよ」
「ん…ありがとう」
ほら、景はちゃんと私のこと愛してくれてるよ。
お母さん、一也。私ちゃんと幸せだよ。
殴られたりするのは怖いけど、こんな景を放ってどこかに行くことなんてできないよ。
「俺…ルイがいないとダメだ…」
だからずっと一緒にいてよ。と言われわかった。と返す。
これからは景のことだけ見ていよう。
そうしたら景は優しいんだ、きっと…。
景…また一緒に笑おうね。