−御幸side−


ずっと小さい頃から一緒にいたルイ。
お互い兄弟がいなかったため俺はルイを妹がいたらこんな感じなのか?と言う気持ちで見ていた…昔はな。
小学校、中学高校と同じ道を歩んで毎日のように一緒だったルイと高校を卒業して初めて離れて気がついた。俺はルイを妹ではなく1人の女として見ていたんだって。

そう実感して初めてルイに電話をかけてから連絡が取れなくなって心配になりルイのおばさんに連絡してみると今日帰ってくると聞いて丁度オフだったので実家に帰ってみるとおばさんにルイが今散歩に出た。と聞いてきっといつもの場所だと思って昔の2人の場所に行ってみると、やっぱりいた。

でもなんだか様子がおかしかった。
肩が揺れているように見えたが気のせいかと思い近寄ってみる。
顔を上げたルイの顔は酷く痩けているように見え、涙が溜まっていた。

俺はまさか。と思いルイの腕を掴んで立たせたが、その時に見えてしまった。
白く細くなった腕に無数のアザがあったのを。

おばさんが彼氏と同棲を始めたって言ってたが…まさか暴力?
そう思ってルイに聞こうと思ったが、頑固なルイは話そうとはしないのはわかっていたハズだったのについ怒鳴ってしまった。

その瞬間、何かに怯える目をした。
そして荒くなる呼吸、おかしい…やっぱ何かおかしい。
すっと一緒に過ごしてきたが、こんなに取り乱すルイを初めてみて少し混乱した。

「おいっ!!ルイ!!どうしたんだよっ!!」

そう問いかけても嫌だ、やめて。と言葉にならない言葉を必死に俺に向かって言おうとする。

一体会わない間に何があったっていうんだよ…。
きっとこれは過呼吸ってやつだろうと頭ではわかっていたが、俺も混乱してしまってどう対処すればいいかわからなくなった。
でも苦しそうなルイを見て抱きしめた。

「大丈夫だから…ルイ…俺だよ、一也だ。大丈夫だから…」

そう言ってやると呼吸が落ち着いてきた。
こうやって抱きしめたりしたことはなかったが、すごく痩せていた。
震えの止まらない小さな細い身体。

「…ず、や…」
「ん?どうした?」
「かず、や…一也ぁ…」

そう言って落ちつたルイは俺の胸に顔をうずめて泣き出した。
今は何も聞かずにルイの髪を撫でながらまた落ち着くのを待った。


なぁ、ルイ。
俺には言えないことなのか?
俺はいつでもお前のこと守ってきたつもりなんだぜ?
もうちょっと俺のこと頼ってくれよ、なぁ。



−御幸side end−








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