ダイヤのエース | ナノ




誕生日というのはいくつになっても祝ってもらえると嬉しいと私は思っていた。
純はきっと盛大にお祝いされたりすることは嫌いだと思うけど、今日は純が産まれて来てくれた特別な日なんだからお祝いした。と付き合って初めての純の誕生日の日お願いしたっけなぁ…。
そんなことなんてもう何年も前できっと純も忘れちゃってるんじゃないかってくらいだし。

付き合って高校創業して、大学は離れちゃったけど私達は別れることはなかった。
もちろん距離があった分不安にもなったし、たくさん泣いたこともあった。
それでも私には純と離れる。という選択肢は浮かばなかった。
大学を卒業して東京に帰って来た純と同棲して初めての純の誕生日。
どうやって驚かせてやろうか、とか純はどんな驚いた顔してくれるんだろうか。とか考えるだけでも楽しかった。

社会人になった純は毎日クタクタになっても必死になって働いてくれる。
野球をしてる純もカッコよかったけど、社会人になって仕事を頑張る純もまた違ったカッコ良さがあると一緒に住んでから気がついた。

「たぁだいまぁ〜」
「おかえりっ!」
「おう。どうしたんだ?えらく機嫌良いじゃねぇか」
「ふふふ〜内緒!」

そっか。と微笑んで私の頭を撫でてくれる純は本当に付き合った当時と何も変わっていない。
いつか言ってくれたっけな、お前の笑顔見るだけで疲れが吹っ飛ぶ。って。まるで少女漫画の主人公がヒロインに向けて言うようなセリフでその時は笑ってしまったけどね、正直嬉しかったんだよ?
だからこうやって毎日笑って純のこと迎えてあげれる。

いつもの様にお風呂に入って、一緒にご飯を食べて、それだけで私は世界で一番幸せだと思えるんだよ。

「っつーかやっぱなんか嬉しそうじゃね?」
「気になる?」
「ま、まぁ、そりゃな…」
「純っ?」
「あ?」

いつもの様にソファに座ってる純にピッタリくっつくように座ると純はそっと肩に腕を回してくれる。

「私ね、純とこうやって過ごせて幸せだよ」
「んだよ…急に」
「純、お誕生日おめでとう!」
「っ!ありがと…よ」

昔みたいに何かサプライズしようとも思ってみたけど、きっと一緒に過ごしてるからバレてしまうんじゃないかと思って小さなケーキとプレゼントを用意しただけだった。
それでも分かりずらく喜んでくれる純に私も自然と笑顔になった。





今あなたと共に




「これからもずっとこうやって誕生日お祝いさせてね?」
「ったりめぇだろ、バーカ」
「ふふっ、純大好きっ!」






2015年9月1日 伊佐敷純 HappyBirthday!!



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