ダイヤのエース | ナノ




「倉持のバカ野郎っ!!」
「んだよ!テメェの方がバカだっての!!」

所謂喧嘩友達…なのかな?
私と倉持はそういう仲だ。
クラスでも学年でもきっと有名だと思うけど毎日何かしら口喧嘩をしている。

「ったく、お前等またかよ」
「御幸うるさい」
「仲良くできねぇのかよ、まったく」
「…そんなこと言ったって」

御幸だけは気づいてると思うけど、私は倉持のことが好きだ。
それなのに倉持はいっつも私に突っかかってくるからこうやって喧嘩になってしまう。
もう少し素直になれよ。なんて言われたことがあったけど素直になれたら今こうやって苦労なんかしてない。

「もう…本当ヤダ」
「お前が素直になりゃいい話じゃねぇかよ」
「なれないってば」

御幸の前の席に座って紙パックのジュースを飲んでいつも話を聞いてもらってる。
周りから見たら私と御幸が付き合ってる。なんて噂する人もいるけど、そんなの願い下げだ。
こいつの周りには怖いファンの人がいるから…まだ死にたくない。

「なぁこの際だから一つ提案があるんだけど」
「んー?なぁに?」
「俺と付き合わねぇ?」
「は…?」

御幸の言ってることがわからなくて御幸の顔をジット見ると段々近づいてくる御幸の顔。

「み、ゆきくん?…何考えてんの?」
「俺結構マジなんだけど」
「いや、顔近いから…ちょっと…ねぇ」
「蒼唯ちゃん、俺マジで蒼唯ちゃんのことす…」
「おいっ!ちょっと来い」

急に腕を引かれて立ち上がらされたと思うと倉持に腕を引かれてて、どこかに向かって歩いていた。

「倉持っどこ行くのよ!急に何よ!」
「うっせぇ!黙ってろ!!」
「っ…」

そう言って顔は見えなかったけど倉持はきっと本気で怒ってるように見えたのでそのまま黙って倉持について行くことにした。




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