ダイヤのエース | ナノ




一也はいつもそうだ。
試合が終わって何か悩んでる時は必ず私のとこに連絡も無しにやってきて話かけても何も答えないで私に抱きついて離れない。

「一也くーん?今日はどうしたのよ」
「んー」
「足痺れてきたんだけどー」
「んーもうちょっと…」
「もう…」

出会ったのは高校生の時、野球部で輝いてる一也は私にとって憧れでしかなかったのに、一也は私に告白してくれた。

それからもう何年経っただろうか。
高校も卒業して一也はプロ選手になった、だからきっと私たちは終わりなんだと心のどこかで覚悟していたのに一也は変わらずに一緒にいてくれる。

会う時間も私が仕事を始めてから限りなく減ってしまったけど、こうやって会う度に甘えてくる一也にいつまでも愛おしさを忘れない。

「今日の試合どうだったの?私今から録画してるのみたいんだけど」
「ダメ」
「なんで?」
「……今日調子悪かったから…見てほしくない」
「子供みたいなこと言わないのー。格好悪い一也なんて何回も見てきたじゃん」

私の身体を離そうとしない一也の頭をそっと撫でてお願い。と言うと一也の腕が緩めてくれた。

一也から離れてテレビをつけようとすると腕を引かれまた一也の腕の中に閉じ込められた。
そして一也の唇が私の唇にそっと触れる。

「んっかず…」
「蒼唯っ、好き…」

ちゅっ、ちゅっ。と部屋にリップ音が響く。
初めは軽いキスだったのに段々深いキスに変わってくる。

「かず、やぁ…もう、んっ」
「……蒼唯………」
「やっ…もうっ、一也ぁ…」

息が苦しくなって一也の胸を押してもピクリとも動かず、それでも余計に深くなるキス。

それからしばらくして一也はちゅっとリップ音を残して唇を離してくれた。

「蒼唯、俺さ…こうやって毎日蒼唯と会いたい」
「わ、たしもよ…」
「なぁ、結婚しよ」
「っ!!」
「俺もまだまだ活躍するには遠いかもしれねぇけど、蒼唯のことは絶対幸せにするから」
「一也…」
「だから、結婚してください」
「バカっ」

一也の真剣な表情に真剣な思いを聞いて断れるわけないじゃない。




あなたの胸により添い



「はいっ、お願いしま、す…」
「プハっ!何で泣いてんだよ」
「な、いて…ないもんっ!」
「あーはいはい、明日オフだし蒼唯の親に挨拶行くか」
「うんっ!!」

私は格好悪くても甘えん坊でもどんな一也でも大好きだよ。




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