ダイヤのエース | ナノ




洋一が青道に入って遠距離恋愛が始まってもう2年目になろうとしていた高校2年の春。

始めの頃は連絡をちょくちょくだけどくれていたのに、やっぱり練習がキツいみたいで段々連絡は来なくなった。

中学の頃の友達に話してみても、もう終わりなんじゃない?なんて縁起でもないこと言われたりするけど、離れてみて思った。私はやっぱり洋一のことが好きみたい。
離れてもっともっと洋一のことが好きになったのかもしれない。

いつも棚の上に置いてある中学の卒業式に2人で撮った写真を見て写真の中の洋一に向かって、本人には言えない、寂しいや会いたい。と言って私はそれでなんとか寂しさを紛らわせている。
正直痛いなんて言われたっていい。連絡の催促をしてもきっと洋一は困ってしまうしそれを言ってしまうと我慢が効かなくなる。

「ねぇ、蒼唯寂しくないの?倉持…連絡くれてる?」
「連絡はないけど洋一だって頑張ってるんだし、これくらい平気だよ!」

帰ってきたらいっぱい文句言ってやるんだ!なんて強がりはもう飽きた。


街を歩くと仲良く歩くカップル。
最初は辛かったけど、もう平気…これが私と洋一の当たり前なんだから。

不安にならないと言ったら嘘になる。
青道だって共学だし、野球部にはマネージャーだっているらしい。
もう…私のこといらなくなったのかな…。

「蒼唯!!ねぇ!青道行ってみない?」
「え…だって、いきなりだし…」
「大丈夫大丈夫!きっと倉持だって喜ぶって!」

そう友達に言われて次の土曜日青道に行くことになった。
一行に既読のつかないLINEを開いて、一応期待はしてなかったけど洋一に土曜日友達と青道に行きます。と送ってそのまま眠りについた。


「うわー!青道って広いね!!」
「うん…確かに…広すぎて迷いそう…」

そう言いながらも校内を歩いていると野球部のグラウンドはすぐに見つかった。
観客が多いようでどうやら今日は練習試合があったみたいで、グラウンドはとても賑わっていた。



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