青道高校野球部のオフはもちろんのこと全然なくて、オフがあると寮生ほとんどは実家に帰ってしまうのに一也はいつも寮に残って私との時間に使ってくれる。
「一也、帰省しなくてよかったの?」
「いーの、俺はこうやって蒼唯と過ごしたいんだよ」
そう言って私がいつも一人で歩いている道を一也と歩いている。
きっと私和弥の両親に嫌われてる気がする。こうやってオフの度に一也のこと独り占めしちゃってるし。
きっと和弥の両親だって一也に会いたいハズなのに…。
「私一也の両親に嫌われてるかなー」
「なんでだよ」
「こうやって一也とオフの度に過ごしてるからー」
自分の中の小さな不安だったけど少しふざけて言ったら一也は気づかないかな。
いつの私の考えてることは一也にすぐバレちゃうから。
「大丈夫だよ、親父も蒼唯に会いたがってたし」
今度一緒に帰ってみるか?なんて言われると一也が気を使って嘘をついてるように誰が見えるんだろうか。
もし嘘だったとしても凄く嬉しくなったのでうんっ!と笑顔で返事をする。
ささやかな幸せ 「どうせいずれかは会うんだし今のうちにな慣れときゃ問題ねーよな!」
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