ダイヤのエース | ナノ



「ずっと神谷のこと好きだった。よかったら付き合ってくんねぇ?」

野球部ので同じクラスの倉持くんにそう言われたのは2年生になってすぐだった。
初めはからかわれてるのかと思ったけど、倉持くんの顔はとても真剣で、それでもそこまで倉持くんのこと知ってるわけじゃなかったから、少し考えさせてください…。と言ってその場を後にした。

顔は怖いけど本当は優しいことは知っていた。
何度かドジをしてしまった時に助けてもらったことがあったから。
それでもそこまで話たこともないし、目立つ方でもない私のどこが良いのかいくら考えてもわからなかった。

相手を知るには身近は人に聞くのが良いと思い、幼馴染である純くんに聞くことにした。


「純くん、一体私はどうしたらいいのでしょうか」
「んなこと俺に聞くなって…ったく」
「だって純くん少女漫画いっぱい読んでるから…何かわかるかな?って」

うっせー…それを言うんじゃねーよ。と髪をわしゃわしゃと撫でられる。
そうは言っても練習が終わって招かれた純くんの部屋にはたくさんの少女漫画があるし、実家にもたくさんあるのを知ってるし…。

「ねぇ、純くん。倉持くんってどういう人?」
「あー、とりあえず…俺はイイ奴だと思うぞ。一生懸命だしよ」
「それじゃ全然わかんないよ…」
「でもよぉ、そうやって聞くってことはちょっとは気になってるってことだろ?」

蒼唯は興味ない奴の告白すぐ断るじゃん。と言われて確かにそうだと思った。
告白されてからずっと倉持くんのこと目で追ってる気もした。
答え決まってんじゃん。と笑って言ってくれる純くんを見て私の中の答えも決まった。

「純さーーん!!!ちょっといいっす…かってなんで神谷がここにいるんだよ」
「あ、倉持くん…」
「あぁ、倉持。別になんでもねーよ」
「そうっすか…」
「で、なんの用だ?」
「いや、急ぎじゃないんで後で大丈夫っす」

それより、こいつのこと借ります。とイキナリ倉持くんに腕を掴まれ連れて行かれる。

「えっ!!?ちょっと、倉持くん!?」

頑張れよーなんて言って止めようとしてくれない純くん。
いくら話しかけても止まっても腕を離そうともしてくれない倉持くん…。





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