今日は私たち3年生の卒業式。
青道高校で過ごしてきた3年間はとても楽しかった。
野球部でマネージャーになってたくさん悔しい思いもしてきたけど、"不作の年"なんて言われてた私たちだったけど、たくさん努力してたくさん練習して不名誉な名前なんてすっかり消えてしまうほど、強いチームになった。
最後の夏、結果を残すことができなかったけど私たちは胸を張って野球部を引退した。
野球部を引退してからは正直何をしていいかわからなかったけど、みんな変わらず野球に打ち込んでいて、結局今日までの3年間野球漬けになった。
それでも私も後悔はしていない。
「もう卒業だね…」
「あぁ、早いものだな」
3年生と共に卒業式の前にグラウンドに来ていた。
別に打ち合わせていたわけじゃないけど、みんな自然とここに集まっていた。
「なんつーか、ガラじゃねーけど寂しいな」
「純がそんなこと言うと気持ち悪いからやめてよ」
「うがぁ」
うっせーなっ!俺だってセンチメンタルになるときくらいあるっつーのっ!と叫んでいる純くんはやはり何も変わらない。
みんな卒業しても野球を続けると聞いた時は本当に嬉しかった。
私は選手ではなかったけど、あんな風にみんなと喜んだり悲しんだりすることに楽しさを覚えてしまったから…
「また…みんなで野球したいね…」
「蒼唯の場合、バットにボール当てれるようになってから言えっての!」
「うむ、蒼唯にはどう教えても当てれるようにはならなかったからな」
「もうっ!純くんも哲くんもっ!」
「ははは、確かに毎回哲苦労してたもんねー」
純くんに頭をわしゃわしゃっと撫でられる。
こんなことを言ってからかってくるけど、みんながいつも優しく教えてくれてたのはちゃんとわかっていた、でも私の身体能力がきっと足りなかったんだよね…
「さぁ、みんな行こうか。そろそろ式が始まるぞ」
哲くんにそう言われて教室に向かう。
後ろを振り返ると3年間の毎日をとても鮮明に思い出せる。
新しい世界へ行こうみんな、いつもいつもありがとう。
3年間とても楽しかったよ。
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