ダイヤのエース | ナノ




小学校、中学、高校とずっと御幸と一緒に学生生活を送ってきた。
別に御幸の後を追っていたわけじゃない、と自分では思っていたが無自覚で追いかけていたのかもしれない。
ずっと地元のグラウンドで白球を追いかけていた小さかった御幸は、今じゃ青道の正捕手だ。
天才なんて言われてるけど、ずっと御幸がここで一人ででも練習をしていたのを私はずっと見ていた。

寮生活を送っている御幸は地元に帰ってくることはほとんどなかった。
それでも私はこうやって毎日グラウンドで御幸の姿を探してしまっている。
たまたま帰ってきててたまたま練習してるんじゃないかって期待をして…

これは運命なのか、1年も2年も御幸同じクラスで席も近い。
地元から遠かったからか同じ中学出身なのは私達だけだったから仲は悪くはなかった。

「神谷悪ぃ、ノート見せてくんねー?」
「いいよー、また何か考えてたの?」
「スコアブック見てたら気づいたら授業終わってた」

野球馬鹿にも程があるんじゃない?と小馬鹿にしたようにノートを差し出すと返す言葉もございません。と早速ノートを写し始める。
こうやって御幸にノートを貸すののは日常茶飯事だ。
御幸のチームメイトの倉持には甘やかすな!と怒られたこともあったけど、野球を頑張ってることは誰よりもわかってるハズだったので断ることはできなかった。

「いやー。神谷のノートマジで見やすいな!」
「そりゃどーも…もう、授業くらいちゃんと受けなさいよ、キャプテン」
「はっはっは、そりゃそーだ!でも、俺たちはリベンジしなきゃなんねーからな」

夏の大会で惜しくも敗退してしまったことにより御幸へのプレッシャーは大きいモノだと、こと言葉を聞いてわかった。

「それでも学業疎かにしてどーすんの!」
「悪ぃ、いつも感謝してんだぜ?」
「本当かしら…全く」


はっはっは、俺信用されてないんだな、と言って私のノートが帰ってくる。

「サンキュ、この恩はちゃんと甲子園行き決めて返すからな」
「ふふっ、楽しみにしてるよ、御幸一也」



もう貴方はここにいない



いつでも御幸は前だけしか見てない。
頑張れ、ちゃんと応援してるよ。




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