少し授業が怠くなって倉持に適当にやり過ごすように言って屋上に来ていた。
監督にバレたらどやされるのはわかってたけど、どうしても集中できそうになかったので所謂サボりだ。
【今すぐ屋上に来たら一也君とゆっくりできるぜ】
そう彼女の蒼唯にLINEを送った後屋上の床にそっと寝転んだ。
こうやって空を見上げたのはいつぶりだろうか。
「ハァっハァっ…かず、や!!!」
声が聞こえて振り向くと蒼唯が息を整えようと必死で呼吸をしている姿が見えた。
俺のメッセージを見て走って来てくれたと思うと愛おしさが増す。
「何?俺に会いたくて走って来てくれたの?」
「な、何よっ……こうやって過ごせることないから…仕方ないじゃん…」
「蒼唯、おいで」
そう言って手を広げて待つと蒼唯は少し恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めた。
いつも部活ばかりできっと寂しい思いをさせているのは充分分かっていた、それでもいつも野球ばっかりで、それでも何も言わずに応援してくれている蒼唯には本当に感謝している。
「一也…何かあった?」
「んー?何もねーよ」
「ならいいけど…何かあったら私でよかったら聞くよ?」
「さんきゅ…」
そう言って少し蒼唯を抱きしめる腕に力を込める。
しばらくするとスースーと蒼唯の寝息が聞こえる。
顔を覗いてみると幸せそうに夢の中にいた。
「ったく、おーい風邪引くぞー?」
声はかけてみるけど起こす気は全くなかった。
僕の胸でおやすみよ「んー、かず…やぁ」
「ん?」
「す、きぃ…」
「っ!!おい…反則だろ……」
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