ダイヤのエース | ナノ




「俺よ…その、お前のこと好きだぜ?」

そう憧れの伊佐敷に言ってもらえた。仏頂面で顔真っ赤にして全然似合わないって小湊辺りに茶化されるんじゃないかって思えるくらい、何でか冷静な自分にも笑えてくる。

「私もっ!!伊佐敷のこと好き、なのっ!!」
「はっ、知ってる。お前わかりやすいもんな」

今最高潮に幸せすぎて、誰か私のほっぺつねって!!と叫んでしまいたいくらいだ。

初めはこの人うるさいな、くらいにしか思ってなかったけど、友達の付き添いで野球部の試合を見に行って印象ががらりと変わった。精一杯白球を追いかけていて、高校球児ってこんなに輝いて見えるんだ。とその瞬間から伊佐敷が誰よりも輝いて見えた。
それからかな、自然と伊佐敷を視線で追いかけるようになったのは。
私がわかりやすいのか、彼が鋭いだけか、小湊にはすぐバレてしまった。応援するよ、なんて言ってくれた彼はきっと面白がってただけな気がするけど…。

実感はしても、いざ告白しないの?と言われても私にはそんな勇気はない。
もし振られてしまったらきっと気まずくて伊佐敷の前に立てなくなってしまうんじゃないかと、それだけが怖くて行動に移せない気の小さい自分がいた。

それに伊佐敷に浮ついた噂を聞かないし、私も今まで彼氏ができたことがなくて、どう接したらいいのかわからない…。
これで告白できる世の中の女子が本当にすごいと思ってる。

「そんなの告白してみないとわかんないじゃん」
「それでも悪い結果を考えたら怖いじゃん…」
「失敗恐れてどうすんの?やっぱバカ?」

バカって…否定はできませんが…。


そんなやりとりを小湊とした日に伊佐敷から告白なんて…まさか。夢なんじゃないかって持っていると、耳元で大きな音、それとお母さんの叫び声。目を開いてみるとそこには私の部屋の天井が。

こんな夢オチあっていいのか。と悲しくなった…。





夢からさめて





頑張って告白してみようかなぁ、と思ってしまった私はやはり単純なのだろうか。




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