小さい頃からいつも一緒にいてくれた純くん。
そんな純くんは青道高校と言う東京の高校に進学してしまってから、私は正直寂しい気持ちでいっぱいだった。
いつも近所の子にからかわれて泣いてると飛んで来てくれた純くん、野球を始めてから私にもちょっと教えてくれた純くん、そんな純くんのこと好きだったのかもしれない。と思い初めたのはつい最近のことだ。
東京に行ったからといって一緒会えない訳じゃないのに、たまの帰省の時も私は会いに行けずにいた。
自分の気持ちを自覚してからは特に…。
「#name2純くん帰って来てるみたいよ?」
「うん…」
「会いに行かないの?」
「…行かない」
お母さんは最近会いに行かないのわかってても純くんの帰省はちゃんと知らせてくれる。
それでもごめんなさい、会いに行きたくない。
部屋でボーッと考えてる内に寝てしまってたみたいで、気がついたら寝てしまってたみたいで窓の外を見るとすっかり日が落ちていた。
ドンドンっと誰かが階段を登ってくる音がして、お母さんかな?と思っているとドアが開いて、そこには純くんがいた。
「じゅ、ん…くん?」
「よぉ、久しぶりだな」
「う、うん…」
久しぶりに話さないか?と問う純くんに首を縦に降ることしかできない私を見て、あの頃より大人っぽくなったハズなのに何も変わらない笑顔を向けてくれた。
あぁ、やっぱり今でも純くんが好きみたいだよ。
「俺が帰ってきても全然来ねェから母さん心配してたぞ」
「あはは、勉強忙しくて…さ」
「そっか、蒼唯も高校生だもんな」
「青道…は、どう?楽しい?」
楽しいぜ、と答える純くんに何故かこころが痛んだ。
知らない土地で純くんは私よりずっとずっと前に進んで行ってるのに、私はあの頃のままだ。
「純くんさ」
「ん?」
「カッコよくなったね」
「はぁ!??」
本当だよ。と言うと純くんはお前も綺麗になったんじゃねェの?なんて顔を赤く染めて言ってくれた。
こんなこと言うの苦手なの知ってるよ。
でも苦手なのにちゃんと伝えてくれる純くんの優しさが本当に嬉しくてたまらない。
今さら割り切れなくていつか、私がもっと大人になったら純くんに好きって伝えてもいいかな?
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