ダイヤのエース | ナノ





大学生になってからの生活は一瞬で、私と純が付き合ってからも同じくらい時間が経った。
関西に来たばかりの純は周りに馴染むのに必死になっているときに私から声をかけたけど、段々仲良くなってきて私はいつからか純に恋に落ちた。
気持ちを伝えると純も同じ気持ちだと顔を赤くして言ってくれたときは本当に嬉しかった。

「もうすぐ卒業やね」
「そうだなァ」
「早いね」

早いなァ。と呟いた純。
大学生になっても野球漬けだった純だけど、見た目と違ってちゃんと私との時間も作ってくれて楽しい時間を過ごせた。
そんな私達も就職活動も終わり春からお互い東京で就職を控えていた。
私は関西に残るつもりだったけど、純に着いて東京に行こうと決めたので卒業しても純の近くにいれる。
それだけで充分幸せだと思えた。

「卒業したらもう私等も社会人やね」
「あー、あんま実感湧かねェな」
「私東京で生活できるんかな?」
「できんだろ」
「純は昔住んでたし平気でしょ?」

純がこっちに馴染めんかったんと一緒やん。と言って1回生の頃の純を思い出してふっと笑うと睨まれた…。
純と同じ様にソワソワして周りの人に笑われるんかな…。そんな風に呟くと純に腕を引かれて膝の上に座らされた。

どうしたん?と聞いて純の顔を見ると心なしか顔が赤くなってるように見えた。

「純?」
「あのよォ…その、俺不器用だから上手く言えねェけど…アレだよ、これからも一緒にいてくんねェか?」
「っ、当たり前じゃない」
「じゃなくて…」

そのままそっと抱きしめてくれて、滅多にこんなことしないのにどうしたんだろ?と思うと耳元でそっと言ってくれた。




それが二人の望み



「仕事始まって落ち着いたら、俺と結婚…してくんねェか?」
「っ!!」
「嫌…か?」
「っバカ、こちらこそ、お願いしますっ…」

ぎゅっと純に抱きつきながら涙を流した。




prev next
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -