あのキラキラした笑顔はずっと俺の傍にあるって思ってた。
でも、手離したのは他の誰でもない、俺自身だった。
ずっと野球一筋でそんな俺の傍に居たい。って言ってくれた蒼唯に俺は正直惚れちまってた。
付き合っていく内に慣れが出てきてしまった俺はあいつのことを放置するようになっていた。
連絡もしなくなって、昼は一緒に食べよう。と約束を持ち出したのは俺だったのにその約束すら当たり前に破るようになった。
今になって俺は本当にバカだと思う、俺は蒼唯がいたのに浮気…をしていた。
「洋一ぃ、私と神谷さんどっちがいい?」
「…そんなの、お前に決まってんだろ」
「やった、嬉しい♪」
そう言っている目の前の女は蒼唯とは正反対の奴だった。
しつこく連絡もしてきたり、出かけたりできないと拗ねて泣きじゃくったり、俺はすぐにそいつとの関係を切った。
しばらくして教室をふっと見渡すと蒼唯が泣きじゃくってるのが見えた。
どうしたのか。と思って声をかけたかったが、俺には声をかける資格なんてない。そう思って蒼唯の横を通り過ぎた。
「おいっ!!倉持!!」
「…んだよ」
「なんだよ。じゃない!!あんた自分が何やったかわかってんの?!」
「ヒャハ…意味わかんねぇよ」
「っ!!あんたのせいでっ!!蒼唯がっ!!!」
「もういいか、らっ!!」
蒼唯の友達に喧嘩を売られて何が言いたいんだ。と聞こうとすると蒼唯が真っ赤に腫らした目で俺を見てくる。
なんでそんな目…してんだよ…。
いつもお前はキラキラ輝いて笑ってくれてたじゃねぇかよ
「く、らもちくん…にはっ関係…ない、から」
「関係ないって…ちょっと!!蒼唯っ!!」
俺にそう言って走り去ったname2#を追いかけようとしたあいつが俺をギロっと睨んできた。
「あんた本当に最低ね。どんな気持ちであの子が我慢してきたと思ってるの。」
「…言いたいことは直接言えよ」
「自分で考えなさいよ。蒼唯…毎日泣いてるんだからね」
もう蒼唯に関わらないで。と俺に言ってあいつは去って行った。
きっと浮気のことがバレたのだろう。
言いたいことは本人が言いにくればいい。俺はそんなことを思っていた。
「倉持、蒼唯ちゃんが話あるって」
「…あぁ、すぐ行く」
わざわざ御幸を使わなくても直接連絡してくればいいのに、なんで御幸なんかに…。
そんなこと思ってもラチが開かないので俺は御幸が指定した場所に行って蒼唯を待った。
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