「はぁ……」
席が離れてしまうとやっぱり御幸くんとの関わりは無くなってしまって、楽しみだった毎日が前のような憂鬱な日々に戻ってしまった。
「神谷さん!!」
「え…御幸くん……」
「ノート、また見せてよ!やっぱ神谷のノートが1番見やすくて、さ」
「う、うんっ!!私のでよかったら!」
「じゃあ今日の放課後教室で!!」
じゃあ、と言って御幸くんは立ち去っていった。
どうしてかな、たった一言御幸くんと会話しただけでこんなに心臓がバクバク大きな音立ててる。
あぁ…私知らない間に御幸くんに恋しちゃったんだ。
そして放課後、久しぶりのオフだって言って溜まっていたノートを書き写したいと思っていたらしく、私はノートだけ渡して帰ろうと思っていたが、一緒にいてよ。今日中に終わらせるから。と言われて御幸くんの後ろの席に座っておとなしく課題をしていた。
カリカリ、と文字を書く音だけが教室に響いて前には御幸くんの背中があって、教室には御幸くんの2人っきり。
どうか、私の心臓の音が御幸くんに聞こえませんように。
「ねぇ、神谷さん」
パッと顔を上げるとすぐ目の前に御幸くんの顔があった。
「ど、どうした…の?読めないとこあった?」
「いんや、もう写し終わったよ」
「じゃあ…どうしたの?」
「俺さ、神谷のこと好きなんだけど」
「えっ…な、なんて?」
だから、好きなんだって。と言った直後御幸くんの顔がもっと近くなって唇に何か柔らかい感覚、御幸くんにキスされてる?
「嫌だった?」
「嫌…ってか…あの……」
「俺好きだったからノート見せてって毎日言ってたんだけど、わかんなかった?」
「そんな、わかんない…よ。」
「鈍感ってやつ?」
「だって…御幸くんモテるし……私なんて…」
私なんてとか言うな。と髪をワシャワシャ撫でられる。
「蒼唯俺と付き合って」
「は、はい…」
この世界はバラ色「ははっ!よろしくなっ!」
「よろしく……」
「んな固くなんなって。もう1回キスしてもいい?」
「えっ!!」
「ははっ!いい反応!!」
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