ダイヤのエース | ナノ




「なぁ…何怒ってたんだよ」
「はぁ?」

何?わかってないの?と後に付け加えて思った。
伊佐敷は少女漫画をよく読んでても女心なんて一切わかっていないことに…。

「わかってないって…俺が何したんだよ!ちゃんと寝る前に連絡してんだろ…」
「はぁー…」
「っ!おい!ため息ついてんじゃねーよっ!!」
「伊佐敷はなんにもわかってない、私のことなーんにも」

んなことねーよ…。と目を逸らしながら言うモンだから説得力なんて一切ない。

「聞きたい?」
「おう」
「伊佐敷私のこと嫌いになっちゃうかもよ?」
「なんねーよ」
「わからないじゃん」
「それは俺のセリフだ」

確かにそうかもしれないけど、今まで嫉妬や束縛なんてしなかった彼女がイキナリヤキモチ妬いてるなんて知って引いてしまう可能性の方がずっと高いじゃん…。
私だってそんなに恋愛経験豊富なわけじゃないけど、こんな黒い感情が自分にあったなんて正直戸惑ってるのに…

「伊佐敷は…私だけ見ててよ」
「あ?蒼唯しか見てねーよ」
「嘘。女の子に囲まれて鼻の下伸ばしてた」
「伸ばしてねーよ」
「伸びてんのよ、無意識に」
「………」

ムスっとして黙ってしまう伊佐敷の目の前に立ってしっかりの伊佐敷の目を見て言う。

「…純」
「っ!!!」
「私は純のこと手放すつもりないし、何にも純のこと知らない子に純のこと渡さない」

嫌いって言っても離してあげないから覚悟してて。と言うとフッと笑って上等じゃねーか。なんて返してくるからハハッとつい笑みがこぼれてしまう。



強欲-Greed-


どうやら私は純のことになるとこんなに嫉妬深くなって、余裕がなくなってしまうみたいだ。
純、私だけを見ててね?大好きだよ。




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