「おい、蒼唯…体調悪ぃのか?」
「…………」
「おいって」
やっと女の子達から開放されたのか伊佐敷が私の元にやってきた。
でも絶対答えてやんない。私弄れてるかな…。
「純がバカだから頭痛いんだってさ」
「は?」
…小湊、何変なこと言ってんの。
そうやって言われたって伊佐敷が気づくわけないじゃん…。
そう思ってこのまま無視して昼寝でもしようかと思って目をつぶっていると急に誰かに手を引っ張られどこかに連れていかれる。
私の腕をつかんでる手の先を見ると伊佐敷がいた…。
「ちょっと、どこ行くのよ!」
「うっせ、黙って付いて来りゃいいんだよ」
イライラして振りほどいてやろうと必死で力を入れてみるが、やっぱり毎日鍛えてる伊佐敷に叶うハズがなく、仕方なくそのまま着いて行くことにした。
しばらく引っ張られて歩いていると屋上にやってきた。
「…授業始まっちゃう」
「いーんだよ、そんなこと」
「よくないじゃん…監督と結城に怒られるよ」
「……大丈夫だ、多分」
多分って…こうやって監督と結城くんの名前を出すと弱いのも知っている。
小湊チクってくれないかなぁ。と考えながらおとなしくベンチに腰かけると隣に伊佐敷も座ってきた。
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