しばらくしてグラウンドの横まで来て倉持くんは腕を離してくれた。
「…どうしたの?イキナリ…」
「純さんとどういう関係?」
「え、純くん?」
なんだか倉持くんの声は少し怒っているような気がした…。
ズンズンと私の方に近寄ってきて反射的に逃げてしまうとトンっと後ろにあった木に背中がぶつかった。
「ちょっと、倉持くんっ」
「うっせ」
ガンっと私の顔の横に手をつく倉持くん…これは所謂壁ドンってやつ…。
純くんの少女漫画で見たことがあるけど、そこに写っていたのとは全く違うくて、キュンっとするものではなく、目の前の倉持くんに少し恐怖すら感じた。
「く、らもち…くん……」
「俺の告白に返事できなかったのって純さんがいたから?」
「ちが、」
「違うならなんで純さんの部屋にいたんだよ」
倉持くんの目には怒りと悲しみが少し混ざっていた…。
「純くんは幼馴染だよ…?」
「はぁ?」
すごくこの短時間で色んな顔をする倉持くんに少し笑ってしまうと、少し顔を赤くして笑ってんじゃねーよ。と言われた。
「ったく…早く言えっての」
「言おうとしても倉持くん聞いてくれなかったから…」
「わりぃ…」
変わらず倉持くんの体制は変わらずでとても顔が近い…心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと不安になる。
「俺さ…蒼唯のことになると余裕無くすわ」
「ふふふ、嬉しい」
「嬉しいって…お前なぁ…」
「私ね純くんに倉持くんのこと相談してたの」
「俺の…こと?」
「そう…あのね、この前の告白の返事…してもいい?」
「お、う…」
「私も倉持くんのこと好きです。付き合ってください」
そう言った瞬間に顔を真っ赤にさせた倉持くんが気から手を離して私の身体をギュっと抱きしめた。
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