ダイヤのエース | ナノ



「モテモテの御幸くんにはわからないことですー」
「いやぁ、そんなことないって」

イヤミか!と倉持に蹴られてる御幸を見ていつも通りで少し安心した。
この関係が変わってしまうのが嫌だって思う自分もいる、それでも御幸のこと独り占めしたいって思う意地悪な私もいた。

でもこの関係が壊れてしまうのなら…このままでいいや。
そんなことを思ってる私はきっとずるい女だと思う。
近寄れなくてずっと見てるだけの子だっているのに、こうやって御幸と倉持と仲良くしてそれだけで満足してる。
こんなずるい女御幸はきっと嫌いだよね。

「そーいえば今度日曜青道で練習試合するんだけど、見にくる?」
「え、行っていいの?」
「おう、見に来いよ。なぁ倉持」

そうだな。とニヤニヤしながら見てくる倉持の足を軽く蹴って御幸にじゃあ日曜予定空けとくね。と笑顔で返す。
日曜…楽しみだな。


そうして日曜日、約束通り私は野球部の専用グラウンドに来ていた。
暑いのにギャラリーはOBの方やファンの女の子でいっぱいだった。
もちろん御幸への歓声もたくさん聞こえ、なんだか複雑な気持ちだった。

プレー中はいつも教室でふざけてる御幸とは全く違うくて瞬きすら忘れてしまう程悔しいけどカッコよかった。

結果は青道の余裕勝ちで、練習試合は幕を閉じた。

「御幸」

試合が終わって帰ろうと思っていたら御幸から送って行くから校門前で待ってて。とLINEが来ていたので、しばらく待っていると御幸がやって来た。

「おい、今日はありがとな」
「いいえ、凄かったね」
「そうか?まぁ新チームになってからだと1番いい試合だったかな」

試合の感想を話ながら帰宅路を一緒に歩く。




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