小さい頃からずっと一緒にいて、なんでもあいつの考えはわかってるつもりだったけど、中学に入っても野球を頑張っていたあいつが、イキナリ変わってしまった。
何をしたいのか全くわからなくて本人にも聞こうともしたのに、あいつに近寄ることができなかった。
それからあいつが青道にスカウトされたって聞いた時はビックリした。
でも私達は何かが変わってしまったから話すことは無くなっていた。
隣の家に住んでいるのに、あいつはもうあいつは隣の家にはいない。
寮に入って部活頑張ってるっておばさんが言っていた。
心のどこかではもう知らない。なんて思いながらも違う私は密かに頑張れ、洋一。なんて応援してた。
「蒼唯!今度の土曜日暇だったりする?」
「んー、特に予定ないよ!」
「よかった!じゃあちょっと付き合ってよ!」
「いいけど、どこに?」
「ちょっと野球観戦!!」
そう言った友達の顔はとてもイキイキしていて特に断る理由もなかったので了承した。
野球見るのなんていつぶりだろ…
土曜日友達に連れられて向かった場所は、青道高校…。
「え、青道って…」
「青道の野球部の御幸くんがすっごいイケメンで私ファンなの!!」
「あ…そうなんだ…」
青道野球部。洋一のいるとこ…。
お母さんは洋一はレギュラーだって言ってたし…もしかしなくてもここにいる。
3年近くも話していない幼馴染のあいつが、ここにいる。
隣にいる友達を見捨てて帰るわけにもいかず、渋々ギャラリーに混ざって試合を見ていた。
もちろん洋一も…グラウンドで昔道を外してた頃とは全然違う洋一が走っていた。
小学生の頃はこうやって洋一の練習も試合も全部見に来てたっけな…。
「キャー!!!御幸くんカッコイイっーーー!!!」
「落ち着きなって」
「だって!!見てよ!!超カッコイイじゃん!!」
「…わかったって」
「話せたりしないかなぁ…」
「さぁ…どうかな」
こうして試合は終わり青道の圧勝だった。
まぁ、負けるハズないってなんとなく見ててわかってしまった。
「あれっ?春っち!!あの人見たことねー?」
「ちょっと、栄純くん!!指差しちゃ失礼だって」
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