ダイヤのエース | ナノ



一也が帰って来て、また帰って来なくなって数日経った時に倉持から呑みに行こうと誘われた。
なんでも哲さん達先輩達も来るとかで誘ってもらえた、断る理由もなかったのでOKした。

「じゃあ、再開を祝して…乾杯!!!」
「「「「かんぱーいっ!!!」」」」

「神谷久しぶりだな、元気にしてたか?」
「哲さん!変わらずですよー」

久しぶりに会う青道野球部。
もちろん沢村くんも降谷くんも春市くんも来ていた。

「蒼唯さん!!!お久しぶりですっ!!!」
「沢村くんー!久しぶり!降谷くんも春市くんも!」
「…どうも」
「お久しぶりです!」

昔ならここに一也もいたんだよね、いつもいつも野球のことばっか考えてて、いつも必死で勝つために色々考えてて…そんな一也の話を聞くのが私の楽しみだった。
今も野球に打ち込んでいるのは変わらない、何が変わってしまったんだろう…
こんな時だって、考えるのは一也のことばかり…。


「おい、蒼唯お前…スッゲー痩せてねーか?」
「うん、何か顔色も悪いし…大丈夫?」
「純さんも亮さんも…大丈夫ですよ!ちょっと仕事が大変で!」

ならいいけど…と心配そうに言われるが、そんなに元気が無いように見えるのかな…

「そう言えば、御幸一也またニュースになってましたよね!」
「っ!!!」
「おい、沢村!」
「あの人プロになって女遊びとは…全く。蒼唯さんがいるというのに!」

ガッと鈍い音が聞こえ、視線を向けると倉持が沢村くんを殴っていた。

「倉持っ!」
「テメェ!!よくそんなこと神谷の前で言えたなっ!!こんだけこいつが変わったのがお前にはわからないのかよっ!」
「倉持っ!!!やめてってば!」

昔から仲が良くて、倉持のことは一也の次くらいに良く知っていたけど、ここまで怒った倉持は初めて見た。
先輩達が必死で止めてくれるけど、倉持の怒りは収まらない。

「おいっ!!御幸呼んで来いよっ!!!」
「おい、倉持!お前落ち着けって!!」
「落ち着いてられませんって!!神谷!お前も黙ってないで御幸になんか言ったらどうなんだよっ!いい加減俺だって我慢の限界なんだよっ!!!」
「く、ら…もち…」

そうだ。
いつも倉持は私のこと心配してくれていた。
きっと一也にも話を聞いてたハズ。
本当のことも実は知っていたかもしれないのに、私の強がりに付き合ってくれていたんだ。

「ごめん…」

そう一言呟いて私はみんなの前を後にした。





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