■ フリオニール×先天性♀ティーダ
フリオニールは逃げ出してしまいたくて堪らなかった。

待てど暮らせど、キスから先に進まないフリオニールに焦れて、「浮気してやる!」と自棄になったティーダを宥めすかしたのが一時間前。「じゃあエッチして」と凄まれ、押しきられたのが10分前。そしてフリオニールは今、ティーダの前で全裸にさせられていた。
ティーダは衣服を脱ぐどころか、少しの乱れもないままにフリオニールの股の間に身体を割り込ませ、彼の象徴をまじまじと見つめている。
「……本物のってこんななんだ…」
へえ、と息が掛かるくらい間近で感嘆の声をあげられて、フリオニールはなんとも言い表せない羞恥と罪悪感に苛まれた。太陽の匂いがする、軽快で性のにおいを感じさせない幼い言動をする少女の目前に、男の薄汚い欲望を晒している。それはひどい罪悪感だったが、同時に、いやになるかな、男に甘美な興奮をもたらすものでもあった。芯を持ち始め、首を擡げた自身を見たくなくて、無駄な逃避とはわかっていても、フリオニールは顔を手で覆わずにはいられなかった。
しかしティーダはそれに気付かぬ様子で、じっと見詰めたまま手を伸ばす。ぐに、とその手で握られた。
「っ…!ティ、ティーダっ…」
「えっ?い、痛かった?ごめん……」
「い、いや、」
慌てて手を離したティーダに、こちらも思わず手を離したフリオニールはしどろもどろになりながら弁解する。力を入れすぎたのだろうかと、ティーダは手淫を諦めることにした。本当は思わず驚きの声が上がってしまっただけで、フリオニールは確かに欲望を滾らせていたのだけれど。そんな事など露知らぬティーダは、かといって諦める訳にはいかない、と別のかたちで奉仕を続けた。下手に触ってしまわぬようにと、手をフリオニールの太股に置く。剣を握る為に固く分厚くなった掌から、あつい体温が伝わって来て、ティーダの身体もつられるように熱くなった。股のところが、じゅんと熱くなって疼き始める。ティーダは今すぐにでも自分の下着に手を入れて慰めてしまいたいと思ったが、フリオニールにはしたなく濡れた自分を見られたくなくて我慢した。それに、目的はフリオニールをイかせることだ。彼の太股に手を置いたまま、ティーダは我慢汁を出している肉棒に顔を近付けた。むわっと臭った汗のにおいに、喉がぎゅっとするが、耐えられないものじゃない。
「…思ったより臭くないんスね。こういうのってイカ臭いって聞くけど」
「どっ、何処から聞いてくるんだそんなこと!」
「これならいけそう…」
「お、おい、人の話を………!」
ティーダはフリオニールの抗議を無視して、先端に口付けた。なんだこれ、しょっぱい。そんな感想を抱きながら、どんどんと溢れ出る我慢汁をちろちろと舐め取っていく。
「ティーダ!そんなことしなくていいから!」
フリオニールは慌ててティーダの頭を離すが、それがまずかった。
「うっ…、」
堪えきれなかった精液が、離した拍子にティーダの顔に掛かる。健康的に焼けた肌に白いコントラストがいやらしい。
「す、すまん…早く拭かないと…」


(ここまで)





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