■ すきすき愛してます!!
◎殺人クラブの荒井さんと覚醒?坂上くん









ダメだめ駄目。
駄目です荒井さん。

「荒井さん、駄目です」
「…さかがみ、くん…?」

荒井さんの足下にはピンク色したぐちゃぐちゃ。肉塊。
それがさっきまでは立って歩いてたんだから不思議。
さっきまで僕と話してたんだから不思議だよね。
でもそんなことどうでもいいの。

「荒井さん、止めてください…汚れちゃいます」

荒井さんの手が真っ赤に染まってる。
洗ったら取れるかな?
取れなかったらやだな。

「坂上くん…どうして此処に…」

来れたんですか。
荒井さんの唇がそう形作った。
そんなの荒井さんを愛してるからです!
でも解ってます。貴方はそんなことを聞きたいんじゃないって事。
他の殺人クラブのメンバーに会わなかったのかって事ですよね?
会いましたよ。校舎が広いといっても6人もバラバラにうろついてたら流石に遭遇しちゃいます。
だから、

「面倒だったので会った片っ端から殺しちゃいました」

荒井さんの目が見開かれる。
驚いてるんですね、荒井さん。
非力そうな僕に殺人クラブのメンバーが殺されたなんて、普通考えられませんものね。
頑張ったんですよ?僕。
油断させて、隙を見て殺すんです。すっごく難しかったんですから。

「…君は、一体何者なんですか?」
「やだな、荒井さん。僕は普通の男子高校生ですよ」

くすくす。
荒井さんが余りにも真剣な(でもちょっと若干怯えていたかもしれない。でも怯える理由が無いのだから、気のせいだったかも)表情で聞いてくるものだから、ついつい笑ってしまった。
ああでも一般人と違う所があった。

「僕は今、恋してますから」

そして僕は、目の前の愛する人に微笑み掛けた。



する者は強いんですよ!!





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テーマ「人外ファンタジー」
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