■ 夢幻に会う
◎zero前









「おい、エックス」
目の前にゼロが居た。一体、何時の間に。
「あれ…ゼロ、どうして君が此処に居るんだい?」
「……俺が居るのが可笑しいか?」
苦笑を浮かべたゼロに、自分の言葉がマイナスイメージに受け取られてしまったのだと気付いた。慌てて弁解する。
「いや、君に居て欲しくない訳じゃなくて!只何となく不思議だなぁーって思っただけだから!」
言ってしまってから気が付いた。何故僕は不思議に思ったんだろう。ゼロが此処に居る事を。
「可笑しな奴だな…俺の居場所は、お前の隣に決まっているだろう」
からからと笑うゼロ。その姿を見て、僕は何だかとても胸が熱くなった。
「ふふ…そうだったね。僕の隣は、君だけの特等席だ」
「ああ。例え俺が――しても、な」
「え…」












「お目覚めになられましたか、エックス様」
レンズの視界に映り込んできたのは、僕のコピーであり、直属の部下である一人。ゼロじゃない。
「…居る筈、無いよね」
だってゼロは、僕の目の前で深い眠りについたのだから。




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