(裏ではありませんが下ネタ的要素が含まれる為観覧にはご注意ください。裏にいく一歩手前▼)
「坊、聞いて聞いて!俺、凄い事発見してもうた」
「なんや」
「後ろ触りながら前弄ったらヤバイほど気持ちいいんや」
「………は?」
コイツはまた、急に何を言い出すんや。元からド変態でエロいんは知ってたが、そういう事を目の前にいる恋人――つまり俺の前で言うだろうか。しかも、あたかも経験したような、そんな――
「…志摩お前、ヤったんか」
誰かと、繋がったのか。繋がった事があるのか。そんな疑惑が俺を包んだ。早いとは言え、男。挿入した事はあるかもしれないが、挿入された事は少なくとも無いだろう。生きていて、一生されずして死んでいくものが大半だ。
ならどうしてコイツは、志摩はそんな事を言うんだろうか。俺とそういう関係に目覚めているなら、今までにも経験があるのかもしれない。それでも、他のヤツとヤった事がある、なんて現在恋人の前で言うなど言語道断だと解らないのだろうか。無意識に眉間に皺がよる。
「あ!っ、えっ、あ、えっと…そ、その」
しまった!とばかりに口籠る志摩を見て、ああやっぱりそうなのかと、言い様の無い苛立ちと不安が俺を包んだ。俺がコイツのはじめてじゃなくて、俺はコイツの知っている快感と比べられるのか。そして、俺はもう用無しか。志摩、お前を好きなんは俺ばっかりやったんやな。
「……ほぉか」
「か、堪忍!坊が全然…その、ヤってくれへんから、つい…」
「…俺がヤらんかったら他の男とヤるんか」
「…………へ?」
「相手してやれんで悪かったな。さっさとその男ん所行けや。ほな」
「ちょっ、ちょお待ってくださいよ!坊!なんか勘違い――」
俺の前からふら、と立ち去られてしまう前に、自分から立ち去ろうと、その方が諦めもつくだろうと、志摩に背を向ける。
すると肩に、志摩の手がかけられぐい、と引かれる。バランスを崩してよろけると、志摩に受け止められ対面させられる。なんだ。まだ何か言いたい事でもあるのか。眉間によりいっそう、皺を寄せる。
「坊、勘違いしてはりますよ!俺が坊以外の人にホイホイついていくわけあらしまへん!」
「…ほななんであんな」
「俺元から性欲は強いですけど、坊と居るようなって、よっ、欲求不満なって…それで…その」
ぐずぐずと語尾を濁しながらも、一人で指突っ込んだんです、と志摩は言った。
――という事は、他のヤツにやられたんやなくて、その――
「…志摩」
「いやああ!!ほんますいませんでしたあああ!坊という恋人が居って自分ばっかり求めてて抑えれんくて、つい……!!しかも誤解までうんでもて……!」
「お前、」
今から志摩が最初に放った言葉の意味を考えても良いだろうか。
「自分から後ろと前一緒に弄って言うたモンやぞ」
「え」
誤解と見解
(欲求不満や言うなら、これでもかっちゅうほど愛したるわ)
20110829 黒豆
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