俺と青峰っちが別々の道を歩み始めてもう一年が経とうとしていた。

最初は、青峰っちという光がなくなってしまうのが怖くて怖くて仕方がなくて、ずっと現実から逃げていた。中三の春、少しずつ部活に来なくなり、授業に出なくなって、最後には学校にまで来なくなって。一軍のみんなやクラスの人は初めこそ心配してたけど、それは表面上だけで本当の想いではなかった。(その頃は)誰にでも優しくて明るくて、人一倍練習していた青峰っちは皆からの憧れだった。しかし、嫌われてはいなかったものの、すべてが好機の目ではなかった。青峰にボールが回れば自分には戻って来ない。自分はシュートもろくに入れられず、ノーマークのメンバーがいるにも関わらず全てボールは青峰に渡される。一年のくせにレギュラー。誰もがそう、口を揃えて言った。試合に出ず三年間を終えた先輩だって何人もいた。自虐になるがそう思われていたのは俺だって同じで、まして途中入部で更に女子からチヤホヤされる俺の存在は

青峰っちに対する想いは妬みや嫉妬による抽象的なものが多かった。それでも俺は、あの時全てを無くしていた俺には、それだけの存在で十分だった。

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