引き金はあまりに重く

※マフィアパロ 未来編、Re!を思い浮かべてくれれば分かりやすいかと















ある屋敷の中で渇いた音が響いてたその場に主犯の奴を黙らせるとその場は雑魚達が逃げ静まり返った。俺は、返り血が無いかと軽く服を見たがたいした血ではなかったので、窓から見える青い空を見た。
あ、謙也さん無事なんやろか。上の奴は片付けときますから、下の雑魚を任しますわ。と、それだけ言って来てしまった、謙也さんの中途半端に俺の名前を呼ぼうとしたのか切れた言葉にも耳を傾けず来てしまった、後でうるさいので何かしら手を打たなければと頭の片隅で考えてた。

「―…か、…る。光!」
「あ、ほんまに来よった」

バタンと勢いよく音を立ててドアを開いた、もう少しこの人に落ち着きがあればエクスタシー言うとる人並には行かんくても、モテるはずやのに。なんか損な人間。
そんな事を思いながら謙也さんの方へとゆっくり振り返った。

「なんや、そっちも終わったんすか?」
「仕事の早さもスピードスターやで、俺は」
「なんべんも聞きましたわ、むしろ聞き飽きたんやけど」
「なんやとっ」
「本当の事っすわー」
「……」

言い返す言葉がなくなり、俺に反感しなくなった謙也さんに笑ってしもた。余計にむすっとした表情を深めていく謙也さんに、なんだか場に応じないが愛しく思えた俺も末期かもしれへん。
間違っても、此処は数分前までは戦場だったのだから。この世界に入りこんだ時は一人一人を打つ引き金が、重かった、辛かった。仕事が終わり帰ると嫌な夢ばかり見ていたのに、今は、何事も無かったかのようにサラッとした表情を崩さなくなった。もちろん、謙也さんだってこの場所で泣き崩れることもなくなった。慣れ、というモノかもしれんな。

「謙也さん、もう帰らへん?」
「せやな」

にっこりと謙也さんが笑うもんやから、本当にこの人にこの世界は合わなさすぎる。この人にはこの世界は汚れすぎとる。なんて考えとると謙也さんの目がふらふらと違う方を見るんで、謙也さんの手を見ると俺の手と重ねたいんかふらふらと手が近づいたり遠退いたりの繰り返しだった、思わず笑ってしまったから謙也さんが顔を真っ赤にして焦るから、嗚呼この人のお陰かもしれんな、俺が壊れへんのも。全て、


「手、繋ぐんやったら、言えばえぇんに」
「そんなん、言えるかっちゅーねん」
「謙也さん、ヘタレやもんな」
「光、いつも言うとるけどヘタレは余計や」

そう言いながら謙也さんの暖かい手と俺の冷たい手を重ねやはりこんな初々しい手繋ぎではなく、指を絡めるようにして恋人繋ぎになった。
なんか、謙也さんの手落ち着くわー、なんて他人事のように思いながら血生臭いこの部屋から逃げるように出て行った。

多分、この先ずっと謙也さんを守るんは俺でありますように、子供じみてる事を切に願いながら。



それでも、この人の為ならば惜しまないさ。







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笑顔動画サイト見てたら、書きたくなってしまった件
要望があれば、違うCPか続き書こうかなって思ってます


09年12月17日UP




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