「愛してる」

さて問題です。
愛とはなんでしょう。



んな事にすぐさま答えられるやつは少ないやろ。でもな、多分俺は答えられると思うねんな。分からへんけど、「幸せ」ってどんな時?って聞かれたら即答できる。

A.謙也とおる時

それ。勿論、家族でまったり過ごす時間も幸せやと思うし、試合に勝ったら満足感と共に幸せな感じが有る。せやけど、多分ちゃうねん。謙也と要は恋人とおる時間の幸せは大きさが違う。

なんと長い前置きはさておき、俺は久しぶりの(だいたいオサムちゃんのお笑い講座は出とったし)部活の休みを謙也と過ごせる事になった、しかも俺の家にお泊りっちゅー特典付きや。
幸せすぎてしゃあないわ。実際、謙也から見たら俺に勉強を教えてもらう形になってまうけど。

「白石、ここ分からんのやけど」
「どれや」
「これ」

これも、まぁお約束の謙也の大の苦手な世界史。暗記系が苦手なのか、それとも世界史のみが苦手なのは把握しとらんけど前に、そこまで嫌になる内容か?て言うたら、謙也にスパコーンと素晴らしい音を立てて俺の頭を叩いた、いや殴ったに限りなく近い。
たしか、「頭のえぇ白石には分からへんのや!」て、言うてた気がする。実際、謙也も何も知らないでそう言うた訳やなくて多分、咄嗟に口から出た言葉がソレだったんだと思う。たしか、二日くらいはお互いにお口がミッフィーちゃんやった。要はだんまり。

「これは教科書見とるより、資料のこの…」
「んー…微妙に分かったわ」
「微妙て何やねん」
「知らんわ」
「分かったならえぇんやけど」

確実にこの状況に幸せを感じる。一生懸命に世界史を解いたり、どうしても解けない時にむくれる時も愛おしさを感じる。ここまで来ると、重症かもしれんな。

「謙也、」
「なん?」
「謙也は俺のこと好き?」
「…ったり前や」
「そか、おおきに」
「いきなり何言い出すねん白石」
「何でもないで」

間を空けてでも、ちゃんと返事を返す彼が、当たり前と言い返すだけなのに顔が林檎みたいに真っ赤になってしまう彼が、

「愛しとる、謙也」
「…おん」


この愛おしさ、彼にぶつけてしまおうか。




「愛してる」




10年01月08日UP

32BOX様提出


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