嘘をついたふりをして

※パロ












見間違いだろうか?真冬は冷え込むのは当たり前で日が落ちるのも早い。現時刻、真っ暗な景色の中、高々しくそびえ立つ建物の名前は今の私の酔っ払いには思い出すことはできなかった。
ふわふわとした感覚の中その建物に目を凝らした、本当に酔っ払いの見間違いかもしれないがその建物に空の黒さとは違う、そう人物のシルエットのように見えた。これが見間違いだとしたら、多分そうとうな量の酒をやけ酒したのだろう。もとより、やけ酒なのは自分が悪い気もしなくはない。

う、なんかアレだ…最悪。外で誰もいない中、気持ち悪くなってきた、一気に飲んだからだろうか、お腹が冷えたからだろうか、どちらにせよ最悪。どうしよーか、私。

「気持ち悪い…う、」
「大丈夫なん?自分」
「多分、大丈夫じゃないです…」
「そらけっこうや」

ちょいと待ってもらいたい、まず私は誰と喋っているの。さあ、横を向いてみましょう。この関西弁の兄ちゃんは誰よ、

「!、わぉ」
「なんやねん人の顔見てわぉて」

びっくり、生まれてこの方芸能人以外の人でこんなに顔が整っててカッコイイ人はじめましてだよ。びっくりさ、その人がこの酔っ払いを気にかけてくれるって。何て言う幸せな夢を見てるんだろ。夢ならもうちょいと見せて、でも酔っ払いって言うオプション付きも何とも言えない物が張り付いてる気がする。

「家、何処なん?送ったるわ」
「大丈夫です…、いや本当」
「嘘やん、だって」

彼が私の背中をバシッと強めに叩くと吐き気が下から上へと、咄嗟に口を抑えた。何てこったい、この人優しいのか優しくないのか分からない。

「言わんこっちゃないな」
「叩くのは反則です…うう」
「自分、高いの大丈夫なん?」
「あ…はい」
「乗り物酔いは?」
「…大丈夫です」

訳分からない、高所恐怖症でも無ければ乗り物酔いも無い私。強いて言えば怖いモノは嫌いだけれどね。
さあ、この人の優しさの元は何。ほっとけない性質なら何と可哀相にも思えてくる。真夜中になんつー優しい人に出会ったのだろう。今日からやけ酒するのはやめよ。

「了解。しっかり掴まっときぃ」
「は?って、ぇえ?!」
「掴まらへんと落ちるでー?」

彼が掴まれって言った辺りからいきなり背中から黒い翼が生えてきて、多分彼の目の色が変わった。真っ赤な赤色に。一言二言会話を済ませると彼は私を姫抱きして、ふわりと宙に浮かぶから咄嗟に腕を首に回した。いやね、びっくり。姫抱きも恥ずかしいけど、宙に浮くのは有りですか?

「家、どこなん?」
「えっと…ですね、あの真下のでっかい建物の真横のちっこい建物です」
「むっちゃアバウトやん」

だって、どうやって空中から説明しろっての。
無理、今酔っ払ってて、ちょっと気持ち悪いけど空中はアウト。受け止められない。
なんてどうこう考えてる内に私の済んでるアパートの一角に降りていた。そして彼の腕から降ろされてた。

「此処であっとる?」
「あ…え、はい」
「自分が住んどるとこ、アレなん?」

二階の端っこが空いていてそこに住むことにした私は(安いのが主な理由だけれど)その彼が指差す自分の住家にこくりと頷いた。ちなみに、隣は引っ越したらしい、最近物音が静かになった。
彼は一度考えた素振りを見せて、明るめな表情を浮かべて私を見た。

「ふーん…なら、これからよろしゅうな」
「はい…ってなんで?」

とまぁ、突っ込んでいる間に彼は跡形もなく居なくなっていた。彼を、宇宙生命体とも読んで良い気がしてならないのは私だけなのだろうか。
というか、名前すらも聞いていない、少し惜しいことをした。
さて、今日の事は忘れて我が家に帰ろう。
そう、全て夢さ。

宇宙に世界を閉じ込めた





(おはようございます。隣に引っ越してきた、白石です。これから、よろしゅうな)(おは…なんで、貴方がいるんですか)(引っ越してきたから)(、ですよね)






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また訳の分からない夢小説を書いてしまった…

白石は悪魔です、ついでに言うと一目惚れ(笑)




10年01月06日UP





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