答え

いい加減に、答えをくれたっていいじゃない。

私、ただいま女子に痛い視線をいただきながら幸村にとっても接近中。凄いよね、ただの命知らずとも言われたこともあるけど、思いたったら即行動の私は毎日のように幸村君に愛の告白を言ってる、あしらわれたって気にしない。だって、明日もあるし。

「幸村君。すきー」
「毎日ご苦労、ありがとう」
「どういたしまして、お返事は?」
「あれ?したと思うけど返事」
「また今日も失敗かー」

でっかい木の下で読書をしてる幸村君に後ろからいきなり言ったから思わず、とかの展開があるかもしれないと思ったけど、幸村君が相手じゃ無理みたい。
本当、YesかNoかの返事すらもくれないなら、諦めた方が良いのかな、本当。

「幸村君、質問」
「なんだい?」
「私のこと嫌い?」
「ううん、嫌いじゃないよ」
「ならどうして、返事くれないの?」
「どうしてかな」
「なにそれ、」
「考えてみてよ、精一杯、頭を振り絞ってさ」
「え」

押し花をしおりに使った綺麗なしおりを読み途中の何かの本に挟むと、パタンと本を閉じて綺麗な顔で幸村君は笑って立ち上がった、それで私もそれに伴い視線をあげた。


「答え、きっと分かるよ君なら」
「ねぇ、分からない。教えてよ」
「それじゃあ、つまらないよ」
「なんで、教えて」
「だって、これはゲームなんだから」
「あ…え…」

言葉として成り立たない口から発さられた音は、私には今だ笑っていられる彼を怖く感じたのかもしれない。
ああ、分かった。
彼に近づくのも、彼の真意を掴むことも私には許されないのだと。それならば、やはり彼は意地悪なのか、分からない私が馬鹿なのか、何も分からなくて、もどかしい。

「幸村君、好き」
「そう、俺はね」
「うん」
「好きかもね」
「うん」
「でもね、分からない」
「…うん」
「本当に君が好きかは、分からないんだ。もしかしたら嫌いかもしれないし、普通かもしれない。実は、愛しく思えてるかもしれない。でも、俺には、分からない」
「そう」

分かったよ、ただ一つ。彼はまだ、私と同じ不器用で幼い子供だったってこと、
それだけだけど。
今の私には十分すぎた。




意思疎通不可能


だって、まだ幼い子供同士ですもの。





(相変わらずわけのわかんない夢小説で申し訳ないです)


09年12月18日UP






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