「謙也さん、」

「どないしたん？」

「何で謙也さん、もうちょっと遅くに生まれてこなかったんや」

「俺に言われてもな、今更やろ」

「せやかて、追いかけても追いかけても一瞬だけ同じ場所におんのに、アンタだけ違う所に行ってまうやんか」

「…ん」

「学生じゃこれの延長線上や。せやから、謙也さん」

「なんや？」

「大人になるまで、待っとって下さい」

「当たり前やっちゅーねん！」


追いかける