ドアがガチャリ、と音を立て長兄の帰宅を知らせる。
「アスー!人識君!ただいまー!家賊が増えたよっ!」
成る程見知らぬ気配が一つ。しかし、
「また見つけてきたっちゃか…本当にレンは家賊の気配に敏感っちゃね。しかもあのテンション、妹か?」
「二人とも、早くおいでったら!わたしは歓迎パーティー用にカレーを作らなくてはならないのだからね!」
「「それはやめろ/るっちゃ!」」
…
「えと…琴織、です。さっきレン兄につけてもらいました。」
「あぁ…俺は零崎軋識っちゃ。」
「ほら、人識君も自己紹介!」
「うっせぇ…さっき兄貴が叫んだだろーがよ…零崎人識だ。」
「うんうん、やっぱり良いね妹っ!あ、琴織ちゃん、敬語はなしだって言っただろう?」
「うん、レン兄。でも初対面から年上の人達にタメ口はどうかと思ったからさ…」
「なんて礼儀正しい良い子なんだ!うふふ、アス、人識君、君達もお兄ちゃんと呼ばれたいだろう!…琴織ちゃん、今年上の人"達"って言ったかい?」
「お前…!」
「あれ、違った?ごめ「お前、琴織お前何歳だっ!?」」
「18だけど。」
間違えちゃったかな…どうしよ。なんて言ったら許してくれるかな
などと呟く琴織の肩をガシッと掴んで下を向き、プルプルと震える人識。
身長差はほんの数センチ。ただし朔羅の方が上だ。
「お前っ…!」
ガバッと顔を上げ叫ぶ人識にこれは怒られるかな、と覚悟する朔羅。
「めちゃくちゃ良い奴だなっ!!」
心底感動した、と表情が物語っている。
心なしか眼がキラキラと輝いているようだ。
「…は?」
予想外の反応に固まる朔羅に朔羅ちゃん朔羅ちゃん、と双識が声をかける。
「ほら、人識君って身長が小さ…いや、小柄だろう?だからあまり年相応に見られることがなくてね。だから今、すごく感動してるんだよ。」
「しかしどこをどう見て年上だと思ったんっちゃ?」
「えと…雰囲気?」
お前分かる奴だなぁ!と人識は飛びつかんばかりの勢いだ。
「これからよろしくな、琴織!」
琴織ちゃんは無事、彼らに受け入れられたようです。