僕はなぜか赤色に拉致られていた。彼女愛用のコブラはピカピカで。まさか自分で磨いているのだろうか。


しかしいくら僕が普通の零崎よりは殺人をしないとはいっても彼女が僕に近づくことはあまりなかったのに、である。


「あの、潤さん。僕はどこに連れていかれるんです?」


「あ?お前友達いねーんだろ?」



いきなりひどい言いようだ。まぁ確かにそれは事実で、僕があまり近づこうとしなかったこともあって家賊とは仲が良いとは言えないし(別に嫌われてるわけじゃない!はず。)


一般人には…母さん以外に知り合いがいない。



唯一の友人と言えた曲識くんも先日亡くなったわけだし。



なんで僕が生きてるのかって?


…そうだよ聞いてよ!曲識くんってばひどいんだから!


確かに僕は他の零崎より"家賊"との関わりは薄かったけどさ、曲識くんが"逃げの曲識"返上して敵討ちに出たくらいなんだ。


だからもちろん僕だって、って思ったのに。


"傀識、お前はここに居ろ。お前が死んだら僕が家族を守る為に行く意味がなくなってしまうからな。"


曲識くんがそう言えば、僕の体は動かなくなった。


僕だって曲識くんを守りたかったのに。


しばらくして体の硬直が解けても呆然としていた所に今度は軋識さんが来て(明らかに、僕同様曲識くんに無理やり戦線離脱させられた感じだった。)


僕の顔を見るとため息をついて『やっぱりお前もだっちゃか…』とつぶやいた。


その後二人でぼーっとして、軋識さんには誰かから連絡が入ったみたいで。


一人になっても呆然としていたところに"彼女"がやってきたんだ。

そして今に至る、と。




「ん?傷ついちまったか?わりーな。でもま、そーいうことで。あたしの興味を満たすためにいってらっしゃい。」



いきなり車から放り投げられた。



えー………



なんか気持ち悪い。え、僕の周りなんかぐるぐるして…えー。









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