「ボス。」



「なんだ?ロマーリオ。」



目的地へと向かう途中、ロマーリオが助手席のディーノへと言葉をかける。


ちなみに傀識とリボーンは走って移動中である。



「零崎ってのは足も速いのかぁ…」



「俺達と同じ空間にいてもアイツにとってはキツいだけだろうからな。…で、その傀識のことなんだが。」



「ロマーリオ。俺はちゃんと考えてアイツをファミリーに…」



零崎としての血が強い今、彼は自分達とは行動できない。

そんな危ない人間を独断で引き入れたことを咎められているのかと反論しようとするディーノを、ロマーリオが遮った。



「そうじゃねぇ。俺は…俺個人としては、アンタが傀識を受け入れると言ってくれて、良かったと思ってるんだ。」



「?なんでだよ。一応アイツは危険人物だろ?」



そりゃそうなんだがな…と苦笑する彼の顔は、マフィアの一員としてではなく、子を持つ親のような顔をしていた。



"あ、俺がもっとガキの頃、良くこんな顔してたな…"



「確かに危険にゃあ違いねぇかもだがよ、アイツはまだ子どもだ。それも、家族も世界も失ったなんてな。口じゃあ見捨てろっつってたが泣きそうな目をしてた。放り出してたら本当に死んでたかもしれねぇ。事実、アンタが受け入れると言った途端に緊張を緩ませた。」



「そっか…」



「だからよ、ボス。傀識がちょいと暴走しても受け止めてやろうぜ。アイツは殺人には罪悪感を感じないかもしれないが、アンタがその様子を見て傷つくかもしれないって不安そうな顔してやがったからな。」



「…おぅ。」



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