ディーノは絞りだすように言葉を紡ぐ。


「だって、お前、家族失って、」



それを傀識は切り捨てる。誇らしげに、寂しげに。



「同情はしちゃだめだよ?家族を守るためにとった行動は全て彼らの、兄さん達の誇りなんだ。

結果が一賊の全滅だとしても、それを台無しにするようなこと、しないで。彼らの家族になれたこと、彼らが家族を守って命を落としたことを。僕は誇りに思ってる。」



「同情なんか、だって普通だろ?いきなりこんな、知らない世界に飛ばされた人間を、」



余りにも一途な彼の言葉に、傀識は微笑んだ。



「本当に貴方は"良い人"なんだね。
だから余計僕みたいな奴が近くにいたらいけないんだよ。

僕は生きている限り人を殺す。君達からしたら始末するべき人間だ。

僕もそうすることをお勧めしたいところだけど残念、みんなに守ってもらったこの命をそう簡単には捨てられない。




だから見えないところに追いやってしまえと言っているんだよ。」








しばしの沈黙の後、リボーンがポツリと問うた。


「お前、戦えるな?」



「え?あ、そりゃあ少しは、多分。」



「なら、ファミリーになれ。」




「…は?」



「家族がいなくなったんだろ?ならキャバッローネのファミリーになれ。」



突然の提案にロマーリオが戸惑った声をかける。



「あのリボーンさん、それは一体…」



「こいつはつえー。強い奴ってのはどうやっても裏社会に関わっちまうもんだぞ。下手に敵対したら危ねーからな、仲間にした方が安全じゃねーか。」



「リボーン…」



安堵したようなディーノにリボーンは鼻で笑う。



「ボスが腑抜けてんだ、このくらい非人道、非人間っぽいのがいた方がファミリーのバランスもとれるってもんだぞ。」



「なっ、リボーン!」



「でも決めんのはお前だへなちょこ。そんなんでも一応ボスなんだからな。」



ディーノが傀識に向き直り、視線がぶつかる。
彼らしく、にっ、と笑って一言。



「家族思いの奴は大歓迎だ。」



「…もう。困ったな、断りようがないじゃんか。」



「じゃあ、」



「よろしく、ボス。」
















「俺の名前はディーノだ。仕事じゃないときは名前で呼んでくれよな!」



「俺はロマーリオ。悪いな、ボスは年の近いファミリーがいなかったもんだから浮かれてんだ。」



「ん、わかった。よろしくね、ディーノくん、ロマーリオさん。」



傀識はリボーンをじっと見つめる。



「オレはリボーン。キャバッローネでこいつの家庭教師をやってるヒットマンだ。」



「よろしく、リボーンくん。」



「今日からお前は俺達のファミリーだ!」





- 11 -
次# 



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -