「しっかしなぁ…いくら不運委員会だからって壊滅はないだろ。」
「そういえば最近穴に落ちる回数が増えてるような…」
委員長の言葉に後輩達が頷く。
「穴だけか?不運が増してるわけじゃなくて?」
「穴の数が確実に増えている。」
「仙蔵っ!?」「立花先輩っ!?」
スパン、と扉を開け放って立花仙蔵登場。
「なんで。アヤの機嫌でも悪いのか?」
「いや…むしろ調子が良くて掘りまくっているようだな。」
綾部喜八郎には前科があるが、今回は逆らしい。
しかしなぜ仙蔵が保健室に登場するのだろう。
「あまり増えすぎたものだから、作法委員会委員長である私に苦情が届いたのだ。」
「留から?」
「用具などどうでも良いのだが…教師陣からもだ。」
「そんなにひどいのかぁ。」
どうりで歩く度に落ちるわけだ、と納得顔の保健委員たち。
怒りを覚えてもいいはずなのだが。
「そこで、だ。葵。喜八郎をどうにかしてくれ。」
「は?いやいや、そこは仙蔵の役目っしょ。」
「なぜ私が。」
「むしろなんで僕が、だから。」
仙蔵いわく、宥めるならまだしも機嫌の良い綾部にどう対処したものか考えあぐねているらしい。
全く見かけによらず親バカなんだから、という言葉は心中に留めておく。
「どうにかしろったって…」
悩む葵に仙蔵が耳打ちすれば
「まぁ僕もそれが妥当かなと思ったけど…」
「ならばそうすれば良かろう。」
「だからそれなら仙蔵でもいいじゃんか。」
「ほぅ?」
「キャラじゃない?めんどい?別にいーけど目じゃなくて口で言えやぁ。」
「よく分かっているではないか。」