「あの…ライアさん。」


「ん?何かな、ビビ。」


「この国へは…何をしに?」



さて、どうしたものかな。"助けにきたよ"って訳には…いくかもしれないけど。



「…何をしにきたと、言って欲しい?」



これは少し意地が悪すぎたかな。ビビは唇を噛み、周囲から少量の殺気がとんできてしまった。



「あんたねぇっ!この国が今どういう状況か分かってるんでしょ!?」


「ごめんって。クロコダイルが阿呆やってんでしょ?私だって一応知り合いの王女様と国王が心配で来たんだよ。ただね、立場上いろいろ問題があったりもするの。」


「?」


「クロコダイルは一応七武海でしょ。まぁこんな企みがバレたら称号剥奪にもなるだろうけど、今は七武海なの。だから面と向かって敵対するのはダメ。無理。」



なんでだよー、いいじゃんか、とルフィはごね、ビビは真剣に耳を傾ける。



「どうして駄目なの?ライア・アルーフは海兵にも権限を持ってるって聞いたわよ?」


「だからー、その権限は海軍の上層部からどうにかもらったものなんだってば。だからあんまり勝手なことするとなくなっちゃうのー。」



ケチくせぇ、良いじゃねーかそんなもん取り上げられたって、と呟いたゾロにライアは軽く睨む。



「これは私の野望のために死に物狂いで勝ちとったものなの。貴方がその腰に挿してるものを意味もなく捨てられるって言うなら反論はしないけど。」


「意味もなく、って」


「ナミ。他のも。結論を決めつけないでよ。"面と向かって"ってのが無意味なの、私にとっては。」


「え、あ…じゃあ。」



黙って話を聞いていたビビの方に向き直り、ライアは笑う。



「大事なお得意先の優しいお姫様にこんな顔されちゃあね?…ビビ。やれるだけのことをやった貴女に敬意を表して。影ながら手伝わせて頂きましょう。」


「…っ。ありがとう。本当に、」



泣き笑うビビの頭に手をおいて続けた。



「全部無事に終わったら、礼はそのときに、ね?」


「はいっ!」

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