―海上レストランバラティエ
一人ふらりと現れたのはライア・アルーフ。
目立つ容姿の彼女に真っ先に駆け寄ったのはやはり、というかなんというか…副料理長サンジであった。
「いらっしゃいませっ!…何と美しいお嬢さ「ガキは引っ込んでろ。」…アァ!?」
「久しぶりです、ゼフ。…いつにも増して、騒がしいね?」
「あぁ、使えない雑用が増えちまってな。いつも通りで良いのか?」
「うん!忙しいのにごめんなさい」
「んなこと気にしてんじゃねぇよ。」
そう言い残してゼフは厨房へ消えていった。
ジジイが自ら注文を受けて作る…?
こんな光景は今まで見たことがない。
結構な知り合いってこと、か?
「おいサンジ、料理長はあのライアと知り合いなのか?」
「アァ!?なんでお前が彼女のなま…ライア?"救世主"のライアちゃんか?」
そういえば手配書と新聞で見たことがある。
"犯罪者"で"救世主"とはまるで物語のヒーローだ、と誰かが言っていた。
ってことは…
「女神様かぁ!!
お嬢さん、ジジイとはどういったご関係で?」
「貴方…"サンジ"さん、ですか?」
「さんづけなんかいらねぇよ!敬語もな!」
「わかった、サンジ。…奥の方でお皿の割れる音がしてるけど、大丈夫?」
「あンのやろっ!失礼します、ごゆっくり!」
「ごちそうさまでした。」
「おぅライア、食い終わったんなら屋根修理してってくんねぇか。どっかのバカが穴開けやがってよ。」
「本、自由に読んで良いなら喜んで。」