海上にて。
見渡す限りの碧、自転車というあまりにも非現実的な乗り物を操るのはもちろん、大将青キジ。
無人島にたどり着き、上陸する。
仕事ではない。
あくまでもプライベート。
しかし休暇かといえばそれも違う。
言ってしまえばただのサボリ。いや、それ以外の何でもない。
トレードマークのアイマスクを装着し、さぁ昼寝だ、どいうその時。
「また"休憩"ですか、海軍本部大将青キジ殿?」
呆れたような笑いを含んだ声。
「あらら…ライアちゃんじゃない。
どうしたの、妙にトゲがあるよ?」
「いえ、別に。青キジともあろう方が無駄にシリアスな雰囲気だしてたから、いらっとして。」
今は会いたくなかった。長年抱えてきた爆弾、ニコ・ロビンの始末に踏み切るのだ。
オハラの一件で感じたかすかな憤りを、聡い彼女に悟られるのは悔しかった。
「クザン
ロビンなら、平気だよ。
素敵な仲間が見つかったようだから。
…ふふ、むしろ海軍の心配をしていた方が良いんじゃない?」
「ライアにそこまで言わせる奴らなら…いや、そんな簡単なものじゃあない。
ニコ・ロビンは…重すぎる。
何より本人が、死にたがってる。」
「まぁ見てなよ。きっと大丈夫。…クザン、貴方はまだ私を信じられないの?約束は確かに果たされつつあると思うけど?」