始まりと終わりの町に近づく。


あと数十メートルで帰港するというその時


「ん?あれは…私ちょっと先に行ってますね。」


「は?」


「多分すぐ戻ってきますから。」



そう言い置きライアは



飛んだ。




精一杯のジャンプとも言えなくもないだろうが常人の目から見てまさしく彼女は飛んだ。


あっけにとられる海兵を後にして。



















ライアが姿を現したのはマントにフードの人影の前。


「久しぶり、Mr.ドラゴン。」


「あぁ…ライアか。」




その革命家が見つめる先には小さく見える海賊船。あれは。


「息子の見送り?」


「男の船出を見守っただけだ。」


「ふふ、そう。革命は順調かなっ?」


「そう楽しそうに聞くものではない。」


「だって他に話題がないんだもの。」


「ならば話しかける必要もあるまいに…まぁいい。」


ドラゴンは踵を返す。


「もういっちゃうの?…気をつけてねー」


「こちらのセリフだ。」

世界的な指名手配犯に気をつけて、とは。

きっとライアのことだから、"世界政府に"などではなく単純に"道中"気をつけて、なのだろう。
おかしな娘だ。




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