プルプルプルプル…
麦わらの海賊団の船から降りたライアは、子電伝虫をとりだした。
「誰からだろ。」
ガチャ。
「もしもし。」
『よぉ、ライアか?』
「そうだよー。エース。君は今大変なことになってるらしいから連絡は控えていたのだけれど。」
『まぁな。けど俺の進行方向にライアがいるみてぇだからさ。』
「このグランドラインを逆走しているの?…くっ。君は本当に面白いね!」
『あ?進行方向すらねぇライアに言われたかねぇな。で、今どこだ。』
「"現"ドラム王国。」
『思いっきり俺の目的地じゃねーか。』
「うん?…あ、そうか。…君の代わりに聞いておこうか?」
『あー?や、いーよ。もうそこ行くしか引き返しようがないから。』
「そう。…エース、もうドラム見えてる?」
『や。まだしばらくかかるな。』
「すぐ行く。」
『はぁ!?何言って…「ガチャ」』
「エースっ!」
ぎぅ、とエースにしがみつくライア。
言っておくが決して恋仲などではない。
「ちょ、ライアおま、…はぁ。なんか察しちまう自分が、っつーか察されちまうお前の思考回路に呆れんなぁ。」
「あは、ばれた。うんそう、寒いんだよね。ということでエース君、あったかい空気広げてー。」
俺の能力はこういうことに使うものじゃねーんだけどな、とボヤきながらもライアのリクエストにきっちり応えるあたり良い奴である。
「で、ライアはドラムに何の用があるんだ?」
「うん?あぁ。ちょっとねー。王国の引き継ぎ?みたいな?着けば分かるよ。」
「そっか。」