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萩と別れて3日がたった。
3日たっても、私の目に映るのはモノクロの世界で
すべてがもうどうでも良くなってくる。
今まで自分がどうやって息をしていたのかさえも忘れてしましそうだ。
萩と別れて自分までも見失ってしまったのかもしれない。
窓の外を見ながらぼんやりそんなことを考えていると
同じクラスの岳人君が話しかけてきた。
「なぁなぁ、最近名前と滝が一緒にいるの見かけねぇーけど、喧嘩でもしたのか…?最近一緒にいるところとか見かねぇし…。名前と滝が喧嘩なんて珍しいな」
岳人君は同じクラスっていうのもあってよく萩と私が一緒にいるところを見ては茶化してたな…
「今日もお前らラブラブだなぁ!!」
「岳人?彼女がいないのが寂しいからって名前にちょっかい出しちゃ駄目だよ?」
「なっ、そんなんじゃねーしっ!!!!!!」
「ふふっ」
「あっ、名前も笑ってんじゃねーよ!クソクソっ!!」
そんな光景も二度と実現することはない
そう、思うとやっぱり悲しくて
私の頬に一筋の雫が流れた。
1回流れ出すと止まらくなるこの雫を拭うこともしないで
「喧嘩だったら、良かったのに…
別れたんだ私達」
岳人君にそう告げた。
岳人君はすごく驚いた顔をしていた。
これ以上私の顔を誰にも見せたくなくて
私はまた窓の方に顔を向けた。