裏表ワンセルフ | ナノ





昨日の一件以来、皆と少し気まずくなってしまった。



観覧車の一周が終わると岳人とジロちゃんから、すごい問い詰められたし。(亮ちゃんがいつもより、少し低めの声で「なんでもねぇよ」といえば、二人共黙ってしまったが)


亮ちゃんには気づかれちゃいけないこの気持ちがバレちゃってたし…。







どうすればいいんだろう…



それに、亮ちゃんはなんで急にあんなこと…。




頭の中が混乱してて、次から次へと考えなきゃいけないことが出てきてグチャグチャだ。




本当に、私はどうしたらいいんだろう。



こんな、時相談できるひとがいたらな。…なんて、この気持ちは誰にも知られない方が良いんだから、誰かなんていないのに。



そんなことを考えつつ1日をすごし、もう放課後になっていた。




名前は帰るべく廊下を曲がると、前方に岳人と亮ちゃん、ジロちゃんが談笑しているのが目に入った。



名前は、おもわず廊下の壁に隠れた。



どうやら、こちらにくる様子はなく、3人は廊下の窓付近で会話をしているようだった。



帰るためにはどうしてもこの道を通らなければ…



だけど、今はちょっと気まずいというか…



うん、うーんと唸っていると、岳人たちが昨日の話をしだした。





ー宍戸sideー



部活に行く前に岳人たちにつかまりいきなり廊下の窓際に連行された。



「どうしても気になるんだけどよぉ!!昨日のあれはどーゆーことだよ、亮。」




「そうだC〜!俺もマジマジ気になる!!!」




「………んだよ。別になんでもねーって」



「Eー!!俺らの間に秘密はなしだC〜!!!」



「そーだぞっ!!!てかっ、亮って名前のことどう思ってんだよ?」



「あっ!!俺もそれすんげぇー気になるっ!!」



「…別に。」



「「嘘だな/嘘だC〜!!」」



思っていない言葉を吐くと岳人とジローに幼馴染の嘘ぐらい分かるとか、何年間一緒にいるんだとか騒がれた。



でも、俺の気持ちをこいつらに言っとくのはいい案かもしれないと思った。ここで俺が公表しとけば2人とも名前にはちょっかいださねぇーだろという考えが頭に浮かんだからだ。


「…はぁ。…好きだよ、名前のこと。恋愛的な意味でな。」



「「やっぱりーーー!!!」」



前々からそーじゃないかと思ってたんだCー!!とか、カップル誕生かっ!?とか無責任なことばっか言ってんじゃねーよ。



でも、知らないんだもんな…。名前が岳人のことが好きだってこと。



何にも知らないこいつらを見方に付けるとか、俺案外性格悪いのかもな…。



そんなことを考えていると岳人が話始めた。



「あっ、そういえばさ!!昔、幼稚園くらいの時にさぁ、誰が名前と結婚するかって喧嘩になったじゃか?そんときはジャンケンで俺が勝ったけどさぁ、今その権利があんの亮だけだな…。俺には亜美がいるし、ジローもジローで付き合ってる奴いるし。だから、ぜってー、幸せにしてやれよっ!!」






権利か…。




約束なんて忘れてくれた方がいいんだよ



(亮の口から出た真実への嬉しさと戸惑い)





(岳人が約束覚えててくれて嬉しいというのと)




(その約束の権利は今、岳人にはないという悲しみ)




(私の心を支配するのはどの感情…?)




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