裏表ワンセルフ | ナノ





突然かもしれないけど私は幼なじみの向日岳人のことが好きだ。



突然なに言ってんのこいつ?ってなるかもしんないけど



これが名字名前の嘘偽りない本心だ。



そんな彼から先日ある告白をされた。



「…なぁ名前、ちょっといいか?



突然でわりぃんだけど…


俺さっ、お前の友達の亜美が好きなんだ。



付き合えるように協力してくんね…?」




岳人が亜美に気があるというのはなんとなく気がついてた。



あからさまに亜美に接するときの態度が違ってたし




なにより亜美と話してるときの岳人の顔はいつもの何倍も輝いてた。




でも、岳人からその話しを聞いたとき




私は自分の想いに気がついてしまったのだ…



岳人が好きだってことに。




今更遅いけどね。




恋だと気づいた瞬間にもう失恋していたというわけだ。




笑っちゃうよね…





でも、亜美に勝とうとは思わないし、思えない。



亜美は学年でも目立つほどかわいく、何よりも性格がいい。




どんな人にも分け隔てなく接することができる優しい子だ。



そして、私の大切な、かけがえのない友達だ。



大好きな岳人と大好きな亜美が幸せになれるなら




私は自分の想いに嘘をついて



君の背中を押そう



誰よりも幸せになってほしいから



いちばん近くできみの恋を見てきたんだ


(きみとあの娘が付き合うようになったのは)


(このあとすぐの話)

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