4.はにかみを数えて
赤也said
ごんべいと別れて数分たっても俺の顔は熱いままだった。
今までこんなことなんてなかった。
大体俺らのファンの女子はミーハーで、正直なところ好きになれなくて、その影響なのかあまり女子が好きではなかった。
…なのにごんべいの時は違って、この間テニスコートで俺のことを見てた…なんて言われた時は心臓が急激に早くなったし、仁王先輩がごんべいにキスしてるところを見た時は言葉では表せないようなドロドロとした黒いものが溢れてくるのを感じた。
自分でもごんべいに振り回されているじかくはあるけれどどうしたってこの気持ちには嘘はつけなかった。
そう、それを恋だと理解するのに時間はかからなかった。
そう気づいた時にやけそうになる口元を必死に隠すのが大変だった。
教室の時以来からごんべいはよくコートに練習を見にくるようになった。
ごんべいがいて、俺を応援してくれてるんだって思うだけでモチベーションもあがったし、真田副部長にも珍しく褒められた。
それを自分のことのように喜んでくれるごんべいの事をますます好きになっていた。
…たとえ自分だけがそういう意識を持っていたとしても
でも俺は何処かでごんべいももしかしたらって期待してたんだ。
それに気づいたのはある日の練習後のことだった
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