虚像に恋した異端者

※レムクル、あやエコ前提のクルーク+エコロ
※エコロが軽く病んでる


「キミの身体、2つあったら良かったのにね」


いつものように、屈託のない脱力した笑顔を浮かべ、エコロはそう言った
でも、僕が二人もいたら、流石に気持ちが悪くないだろうか


「そうじゃなくて」


まるで僕の心を読み取ったかのように呟き、片方はあやちゃんの身体なの、と付け足すエコロ
あやちゃん…とは、僕の本に住み着いている(?)紅い魔物のことだ。ちなみに僕はあやと呼んでいる
時々、僕の身体を乗っ取ってはエコロに会いに行っている
あやはエコロが好きだ。エコロもあやが好きだ…病的なくらい

でも、僕は僕で、レムレスと付き合っている
あの時のフェーリの悔しそうな顔ときたら…思い出しただけで笑いが止まらない
それはさておき、エコロは相変わらずの調子で


「やっぱり、どうにもならないかな?」


と笑っていた
その笑顔にはどこか、寂しさもあった


「難しいだろうね…身体2つは…それに、僕はレムレスを諦めたくないから、身体は時々なら貸してもいいけど、あげられないよ」


「僕だって、あやちゃんを諦めたくないよ。あーあ…世知辛いね…恋って……まあ、クルークの身体はクルークの物だし…僕は旅人だからね…キミとレムレスみたいに毎日は会えないから…」


でも…やっぱりあやちゃんを諦めるのは嫌だなぁ…それなら、いっそのこと…

その言葉の後のエコロの言葉は、あえて聞かなかったことにする




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