仲良し





※的場様宅の虎徹ちゃんをお借りしております



△▼△▼



はやく、はやく。
足は前へ前へと突き進み、大きく腕を振って駆け抜ける。はやく、あの人の元へ。

いた!
大好きな後ろ姿に遠慮なく突進する。
大丈夫、だって彼はおれよりずっと大きいのだから。

「いってぇー!」
「虎徹兄ちゃん!」

そう、大好きなおれの兄ちゃん。

と、言っても本当の兄ちゃんではなく近所のおれの相手をしてくれる人。
この人おれより年上のくせにおれみたいなイタズラばっかりしてる。でもだからこそ仲良しで大好きなんだ。

「聞いて聞いて!あのな!えっと!」
「はいはい落ち着け、つかスゲェ汗。走ってきたのか?」
「うん!だってスゲーの見つけたから!持ってきたんだぜ!」
「持ってきた?」

ショルダーバッグから取り出したのは綺麗でキラキラしている大きな石。森で遊んでいたら見つけたおれの宝物シリーズ。たぶんポケモンが進化する時に必要なものだとは思う、だからこんなに引き付けられる。

「これって、水の石じゃねーか!」
「みずのいし?」
「しかもでけぇ!野生にこんなデケェ石あったのかよ!」
「もしかしてすごいこと?」

そう言うとグシャグシャと頭を撫でられた。

「ああ、すげーよ。」

ニッと笑った顔。
おれの好きな顔。
兄ちゃんは笑っている顔がよく似合う。

おれもこうなりたいなあ。

「へへっ!今の俺ってば虎徹兄ちゃんよりすげー!」
「あっ!何言ってんだ俺のほうがスゲェよ!」

ぐわしっと脇に手を入れられて持ち上げられた、そして兄ちゃんの肩にちょこんと乗せられた。

「わーー!たっけー!虎徹兄ちゃんすげー!」
「そーだろそーだろ!」
「やっぱ虎徹兄ちゃんすげー!」
「ワッハッハ!楽しいなぁ縁!」
「うん!おれ今めっちゃ楽しいー!」


大好きな兄ちゃん。
いつまでも一緒に遊ぼうね!


END



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