次の日の朝、目覚めと共に思った。天ヶ崎くんを探して待つのは今週で終わりにしようと。期間が短いのではと思う方も居るかもしれないが理由はただ一つ。猛烈に眠い。

幸福なことに残業の少ない会社に勤めている私が帰宅する時間はいつも一定であり、疲れている日は午後九時に寝る。今どき小学生でももう少し夜更かししているだろう。しかし私は眠らないと動けない体質なのだ、睡眠は大事。
そんなわけで、終電近くまで天ヶ崎くんを探していると帰宅の時間は突如として遅くなり、そうなると寝る時間が遅くなって睡眠時間が減る。こんなことを何日も続けては、申し訳ないがそれは本当に私の生死に関わってくる。赤ん坊の頃から寝付きの良さだけは定評のある私だ、寝ないとマジ無理。


「この薄情者……」

そう自分への罵りを述べてから、今日という日は始まった。

しかし薄情者というレッテルを貼るのはもしかすると早計かもしれない。何故ならこの世は縁で成り立っているのだから。袖振り合うも他生の縁という諺があるように、些細な事柄も運命として大切にしなければならない。その式で言うと、たとえどんな場所に居ても縁があれば会えるということではなかろうか。逆に言えば、今週を待って彼に会えなければそれは縁がなかったということで諦めるべき事柄なのだ。ちなみに、どこまでも都合の良い解釈だという非難は受け付けていません。


昼休みに天ヶ崎くんに電話を掛けてみたが案の定繋がらなかった。と思ったら携帯電話の充電が切れかけていた。昨夜遅くに帰宅したせいで充電するのをうっかり忘れていたらしい。どこまでも間が抜けている。つまりは間抜けだ。溜息をひとつ零した。

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