カウンターに肘を付き、頬に手を当てて瞼を閉じる。

 ごとんごとん。列車は揺れる。星は瞬き、月は輝いている。


────私、嬉しいの。

 貴方を想うだけでこんなにも幸せになれること、こんなにも美味しいカクテルが飲めたこと。

 たとえこの恋が叶わないことがあったとしても私、きっと後悔なんてしない。この幸せな時間は確かに存在しているんだもの。それだけで私は胸を張れるわ。

 好きよ。今日も、明日も。


 どうか貴方も、柔らかな夜に包まれていますように。

 そして優しい夜明けが、訪れますように。



 願うことはそれだけ。


 それだけよ、お月さま。





 どうぞよろしくね。
































MOON TRAIN


end.


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